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スカーレット オーク
第65章 65 兄
日曜日の夕方。
実家に兄一家がやってくる。
夏からなんとなく交流を避けていたのだが、とうとう颯介につかまってしまった。
「おい。最近付き合い悪いな」
「もともとそんなによくないだろ。今から漫喫いくんだよ」
「まあ待て。今日なんか行っても混んでて不愉快だぞ」
「いや。個室だし関係ないって」
かわそうとしたが今日の颯介はしつこいうえに強引だ。
「ちょっと座れ」
「なに?」
「お前、なんかあったろ。母さんがおかしいって心配してたぞ」
――兄貴に言うなよなあ。
母の慶子は颯介に直樹の様子を伺わせる気らしい。
母親であっても控えめな性格のせいで追及できないからだ。
こうなると誤魔化すのが難しい。
何しろ颯介は勘が鋭いうえに追跡型だからだ。
彼女との別れをあまりザックリ言いすぎると余計細かく聞かれるだろうと思い、多少は別れた理由を話すことにした。
実家に兄一家がやってくる。
夏からなんとなく交流を避けていたのだが、とうとう颯介につかまってしまった。
「おい。最近付き合い悪いな」
「もともとそんなによくないだろ。今から漫喫いくんだよ」
「まあ待て。今日なんか行っても混んでて不愉快だぞ」
「いや。個室だし関係ないって」
かわそうとしたが今日の颯介はしつこいうえに強引だ。
「ちょっと座れ」
「なに?」
「お前、なんかあったろ。母さんがおかしいって心配してたぞ」
――兄貴に言うなよなあ。
母の慶子は颯介に直樹の様子を伺わせる気らしい。
母親であっても控えめな性格のせいで追及できないからだ。
こうなると誤魔化すのが難しい。
何しろ颯介は勘が鋭いうえに追跡型だからだ。
彼女との別れをあまりザックリ言いすぎると余計細かく聞かれるだろうと思い、多少は別れた理由を話すことにした。