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第1章 黒煙のレクイエム

「はるひこ…おかーさん、ものすごくしんどいのよ…はるひこが毎晩のようにお酒をのんで帰ってくるから、家族のみんなが心配をしているのよ…はるひこ!!」
「やかましいオドレ!!オレの仕事にケチをつけな!!」
「おかーさんがいつはるひこの仕事にケチをつけたと言うのよ…あんたはこのままでいいの？はるひこはどうして同期よりも１番に昇進したいと言うの？汚い手を使ってでも２段階昇進をしたいと言うけど、２段階昇進したらいい特典があると言うわけなの？｣
「いい特典があるから２段階昇進したいんや!!同期は競争相手なんや!!同期が部長に１番で昇進したやつがいたから１番で部長に昇進した同期を殺して、２段階昇進しないとオレは勝てないのだよ!!…そのために、上司と一緒の上司の知人のヤクザの親分の家でのんでいたのだよ!!」

母親は、はるひこの言葉を聞いて怒ったので、はるひこは家中暴れ回って叫んでいた。

はるひこは、こずえがいる寝室の前で『離婚してやる!!』と怒鳴って、ドアをけとばして暴れていた。

母親は、暴れ回るはるひこを止めることができなかった。

暗やみの寝室の中で、こずえはふとんの中に潜り込んでワーワーと泣いていた。