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第1章 黒煙のレクイエム

８

御桜里は、夕方５時過ぎにひとりぼっちで渡良瀬川の埼玉県側の河川敷の公園のベンチに座っていて途方に暮れていた時に、がらの悪い男ふたりに声をかけられて無理やり連れ去られた後、JR栗橋駅の裏手にある廃屋の倉庫で重度の狂犬病を患っている男数人から集団でレイプの被害を受けた。

ボロボロに傷ついた御桜里は、家族たちの前で発狂したあと死亡した。

11月21日の夜７時50分頃のことであった。

場所は、国道４号線沿いの総和町にある葬祭会館にて…

ホール内には、御桜里の遺影とたくさんのお花が供えられていたが、弔問客は少なかった。

御桜里の両親は、ものすごく悲しい声で哭いて(ないで)いた。

しかし、弔問客のみなさまはものすごくシラけた表情をしていた。

そんな中であった。

葬祭会館に、こずえの母親と兄夫婦がやって来た。

応対は、涼介がしていたが、いいかげんな応対をしていたので、怒りを買ってしまった。