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黒煙のレクイエム
第1章 黒煙のレクイエム
「えっ?兄でしょうか…兄は今夜は残業だと言うてたけど…」

涼介の言葉に対して、こずえの兄が思い切りキレてしまった。

こずえの兄は、涼介の胸ぐらをつかんだ後にグーで顔を殴って倒した後、金具のついた黒靴で涼介の頭を踏みつけながらこう言うた。

「オラオドレ!!オドレのおにいが妹にきつい暴力をふるったのだからオレは怒っとんや!!オドレも共犯者だから許さない!!」

(ドカッ!!)

こずえの兄は、金具のついた黒靴の先で涼介の脇腹を思い切りけとばした。

こずえの兄にけとばされた涼介は、ゴホゴホと咳き込んでいた。

「ゴホゴホ…」
「コラ!!オドレのおにいはどこで何をしているのか言えや!!」
「会社で残業です…グワッ!!」

(ドカッ…ドカッ…ドカッ)

ものすごくめちゃくちゃになっているこずえの兄は、涼介の脇腹をけとばした後、母親と兄嫁と一緒に葬祭会館から出て行った。

よれよれの状態で立ち上がった涼介は、へたり込んだあと、口から大量に吐血をした。

(グハッ…ゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホ…)

その頃であった。

はるひこは家族に残業だとウソをついて、東京渋谷桜ヶ丘町にあるフィリピンクラブへ行ってた。

そこで、ホステスの女と会って愛を求めていた。

ホステスの女は、2日後にサヨナラ(母国へ帰国する事)であった。

はるひこは、ホステスの女に『サヨナラをするのはイヤだ…』と言うて、ひたすら愛を求めていた。

はるひこは、ホステスの女を店外へ連れ出した後、古河へ行ったが、後に大騒動を起こしてしまうのであった。
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