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第2章 黒煙のレクイエム・２

「主任!!いいいかげんにしてくださいよ!!なんで困ったことがあると私のもとへやって来るのですか!?」
「ああ、田名部くん…田名部くんにばかり負担をかけていることについてはあやまるよぉ…」
「主任!!」
「ああ、こらえてーな…田名部くんからお金を借り続けていることについてはもうしわけないと思っているよぉ…」
「主任!!この間主任がお金を貸してくれと言いに来た時、私がどんな想いをして道休さん方の家へ行ってアイパッドを借りて質屋に入れたと思っているのかがゼンゼン分かっていないようですね!!」
「悪かったよぉ…」
「ほんなら返せや!!」
「返すよぉ…だけどうちはゲップ(月賦)で買ったマイホームのローン返済などがたくさんあるので困っているのだよぉ…」
「主任!!」
「ああ、怒らないでくれぇ…」
「それなら、私から借り入れた金の使い道を言え!!」
「田名部くん…田名部くんから借り入れた金の使い道はオイゴのために使う金なのだよ…オイゴは栃木市の私立高校の寮で暮らしているのだよ…けど…」
「寮生活がイヤだとダダこねてんだろ!!」
「ああ、怒らないでくれぇ…オイゴは寮生活が本当にイヤだと言うているのだよぉ…『遊びに行けないからイヤだ…気に入らん先輩がいるからイヤだ…寮のごはんはくさいめしだ…おつゆが水っぽい…他にも寮の先生に暴力をふるわれてばかりいると言うているのだよ…」
「主任!!」
「ワシは『バカモーン!!』と怒って、こぶしでオイゴのこめかみを殴ったよ…自由と権利ばかりを主張するなと言うて教えたよ…姉さんが甘やかしてばかりいるから…」
「殺したろか!!」
「ああ、田名部くん…こらえてくれぇ…今回で最後にするから…この通りだ…」

綱慶は、シブシブとした表情で主任の男性に大金を渡した。

主任の男性は『おおきに…助かったよ。』と言うてその場から立ち去った。

しかし、休憩室から出たとたんにげんなりとした表情を浮かべていた。