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真昼の月
第1章 前編
さて、その頃であった。

ところ変わって、六反町にある公立中学校にて…

みわこは、中学校の正門500メートル手前で足が凍りついたので、ワーッと叫んでその場から走り去った。

それからしばらく時間が経過した頃に、みわこが家に戻って来た。

勘助は東京池袋にある総合商社に、さよこはテニスの例会に、えりこは高校へ出かけていたので、家の中には在間しかいなかった。

在間がさよこたちから受けたきついいじめが原因で心がズタズタに壊れていて気力が喪せて(うせて)いた。

在間が物を言うことができないのをいいことに、みわこは勘助の書斎に忍び込んだ。

そして、デスクの引き出しの中から数万円をくすねた。

自分の部屋に戻ったみわこは、学校のカバンを置いて、サイフとスマホと小物類を赤茶色の小さなバックに入れ替えて、部屋から出てカギをかけた。

ちょうどその時に、家政婦さんがトルネオ(東芝)のスティッククリーナーを持って、みわこの部屋の前にやって来た。
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