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第1章 前編

「家政婦さん!!」
「はい？」
「家政婦さん!!晩ごはんはどうしたのかしら!!」
「えっ？晩ごはんって…」
「どうして晩ごはんの用意ができていないのかと聞いているのに、なんなのよ一体もう!!」
「えっ？きょうは帰りが遅くなるというていたのでは…」
「あんたもしかして!!買い出しに行っている時に、旧友に会えたうれしさから時間を忘れてスイーツザンマイでおしゃべりに夢中になっていたのでしょ!!あんたはいつからナマケモノになったのかしら!!」
「おい、やめろ…」
「あなた!!家政婦事務所にすぐに電話してちょうだい!!」
「分かったよぉ…」
「事務所に電話されたら困ります!!」
「いいえ!!事務所に電話をして違う家政婦さんと交代させます!!」
「困ります!!」
「やかましいナマケモノ!!」

端で聞いていた勘助が、ダイヤルをしている手を途中で止めたあと、泣きそうな声でさよこに言うた。