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第1章 前編

「お手伝いさん、ちょっとよろしいでしょうか？」
「おたくはどちらさまでしょうか？」

この時、もうひとりの刑事が身分証明書をみせながらお手伝いさんに言うた。

「埼玉県警の者ですが、愛媛県警からの要請を受けて、行方不明になっている警官の男を捜索しています。」

お手伝いさんは、もうひとりの刑事から渡された書面を受け取った。

お手伝いさんがもうひとりの刑事から渡された書面をみたときに、顔が真っ青になった。

書面に写っている写真は、片瀬であった。

家政婦さんは、ふたりの刑事に片瀬を目撃したと言おうとしていたが、恐ろしくなって言葉を発することができなかった。

それでも、家政婦さんはふたりの刑事に行方不明になっている片瀬がどんな悪いことをしていたのかを聞いてみた。