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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第8章 姉と妹の決着/イカレ勝ちしたもの

その6
「ケンだ!!」
「キャア―ー!!わあー、わあー!ケンー!!」
二人はリビングソファの脇に放られたケンの元に駆け寄った。
「ケン!しっかりして―!」
「ケン、大丈夫か!お前、一体、どうしたってんだ…」
しかし二人は条件反射的に、これが、おそらくはどういう状況なのかは察知できた。
しかも、この後、どういう事態が起こるかは頭に浮かんだはずだった。
***
「うっ、うぐぐっ…」
正樹はケンの体を抱き寄せ、まず生きていることを確認すると、口と目に巻かれたタオルを外した。
だが、間髪入れずに、今度は”ウォー!!”という大声と共に、女が窓ガラスをスパナで叩き割って乱入してきた。
”お姉ちゃん…!!”
”郡氷子か!”
ケンの体にぴたっと寄り添っていた桜木とツグミは、恐ろしい形相でリビングに飛び込んできたその女が、氷子だと即気づいた。
桜木は完全に及び腰になって、頭も混乱していたが、咄嗟に弟の体をツグミに預けると、狂気の女を前になんとか身構えた…。
***
「うおおーー!!私の妹を無理やり犯したテメーの弟、今度は私が犯してやったぞ!桜木、お前はここで私がぶっ殺してやるよ!行くぞー!!」
氷子は登山ナイフを両手で握り、”3人のカタマリ”に向かって突進していった。
いや、二人だった。
ツグミは素早くキッチンに走っていたのだ…。
***
そして、あらかじめ収納場所をチェックしていた包丁を手に取ると、桜木に向かって叫んだ。
「おじさん、これで殺っちゃって!」
ツグミは手早く包丁を床に滑らせて桜木に送った。
ほぼ正確に足元に届いた包丁を拾う桜木も素早かった。
”うぉー!!”
”わわわー!!”
まさに瞬きする間に終局はやってきた。
***
絶叫のあと…。
桜木と氷子は互いの体に包丁を刺し合い、真正面に向き合って立っていた…。
傍から見れば、抱き合っているようにしか見えない。
だが、二人の脇には背の低いもう一人が立っていた。
ツグミだった…。
「ケンだ!!」
「キャア―ー!!わあー、わあー!ケンー!!」
二人はリビングソファの脇に放られたケンの元に駆け寄った。
「ケン!しっかりして―!」
「ケン、大丈夫か!お前、一体、どうしたってんだ…」
しかし二人は条件反射的に、これが、おそらくはどういう状況なのかは察知できた。
しかも、この後、どういう事態が起こるかは頭に浮かんだはずだった。
***
「うっ、うぐぐっ…」
正樹はケンの体を抱き寄せ、まず生きていることを確認すると、口と目に巻かれたタオルを外した。
だが、間髪入れずに、今度は”ウォー!!”という大声と共に、女が窓ガラスをスパナで叩き割って乱入してきた。
”お姉ちゃん…!!”
”郡氷子か!”
ケンの体にぴたっと寄り添っていた桜木とツグミは、恐ろしい形相でリビングに飛び込んできたその女が、氷子だと即気づいた。
桜木は完全に及び腰になって、頭も混乱していたが、咄嗟に弟の体をツグミに預けると、狂気の女を前になんとか身構えた…。
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「うおおーー!!私の妹を無理やり犯したテメーの弟、今度は私が犯してやったぞ!桜木、お前はここで私がぶっ殺してやるよ!行くぞー!!」
氷子は登山ナイフを両手で握り、”3人のカタマリ”に向かって突進していった。
いや、二人だった。
ツグミは素早くキッチンに走っていたのだ…。
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そして、あらかじめ収納場所をチェックしていた包丁を手に取ると、桜木に向かって叫んだ。
「おじさん、これで殺っちゃって!」
ツグミは手早く包丁を床に滑らせて桜木に送った。
ほぼ正確に足元に届いた包丁を拾う桜木も素早かった。
”うぉー!!”
”わわわー!!”
まさに瞬きする間に終局はやってきた。
***
絶叫のあと…。
桜木と氷子は互いの体に包丁を刺し合い、真正面に向き合って立っていた…。
傍から見れば、抱き合っているようにしか見えない。
だが、二人の脇には背の低いもう一人が立っていた。
ツグミだった…。

