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異常行動が日常行動のオンナ【完結】
第8章 姉と妹の決着/イカレ勝ちしたもの
その7
それから1年が経った…。
あの日…、現場に駆け付けた警察によってすぐに救急車が2台到着、包丁で繋がった状態のまま、桜木と氷子の体は、救急隊の手で慎重に”切り離された”…。
既に郡氷子は息を引き取っていたが、桜木兄は一命を取り留めた。
ツグミがこの現実を実感した時、彼女はぼそりと独り言を漏らした。
「はは…、お姉ちゃん死んだんだ。…死んじゃったんだ。これで私だけを濡らす冷たい雨は止むんだ…」
***
”事件”はその衝撃的な背景もあって、テレビのワイドショーをはじめ、各マスコミがセンセーショナルに報じた。
何しろ死亡した20代の若い女は実に裁判12件の被告で、その刺した男は裁判の原告、更に暴行を加えたのはその原告の弟なのだ。
そこの現場いた女の妹の証言で、その女の異常行動が次々を明らかにされ、大いに世間を騒がせることとなったのだ。
結局、その事件の背後の状況から、郡氷子を死亡させた桜木正樹は正当防衛が認められ、罪に問われることはなかった。
事件が終息すると、今度は極めて異常で凶暴な姉のもとでずっとおびえ続けて生きてきた中学2年の妹へ、世間の同情が集中し、天涯孤独となった14歳の少女のもとには、全国から多くの養子縁組や里親の申し出などが殺到した
しかし、ツグミの希望は、社会に出て自立できるまでの期間、桜木家で身元を預かって越しいというものだった。
そして、桜木兄弟はそれを了解、桜木家は郡ツグミを加えた3人の奇妙な生活が始まったのだった…。
***
それから1年が経った…。
あの日…、現場に駆け付けた警察によってすぐに救急車が2台到着、包丁で繋がった状態のまま、桜木と氷子の体は、救急隊の手で慎重に”切り離された”…。
既に郡氷子は息を引き取っていたが、桜木兄は一命を取り留めた。
ツグミがこの現実を実感した時、彼女はぼそりと独り言を漏らした。
「はは…、お姉ちゃん死んだんだ。…死んじゃったんだ。これで私だけを濡らす冷たい雨は止むんだ…」
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”事件”はその衝撃的な背景もあって、テレビのワイドショーをはじめ、各マスコミがセンセーショナルに報じた。
何しろ死亡した20代の若い女は実に裁判12件の被告で、その刺した男は裁判の原告、更に暴行を加えたのはその原告の弟なのだ。
そこの現場いた女の妹の証言で、その女の異常行動が次々を明らかにされ、大いに世間を騒がせることとなったのだ。
結局、その事件の背後の状況から、郡氷子を死亡させた桜木正樹は正当防衛が認められ、罪に問われることはなかった。
事件が終息すると、今度は極めて異常で凶暴な姉のもとでずっとおびえ続けて生きてきた中学2年の妹へ、世間の同情が集中し、天涯孤独となった14歳の少女のもとには、全国から多くの養子縁組や里親の申し出などが殺到した
しかし、ツグミの希望は、社会に出て自立できるまでの期間、桜木家で身元を預かって越しいというものだった。
そして、桜木兄弟はそれを了解、桜木家は郡ツグミを加えた3人の奇妙な生活が始まったのだった…。
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