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感じさせて
第3章 カラオケボックス
うれしい…



好き



ただ

その二文字が

すごくうれしくて

涙が目にうるんだ



トオルから
ずっとずっと
聞きたかった言葉だった



その言葉をくれた
シンくんが
私の手を


ぎゅっと握った






待って


でも・・・・





そんな事があるはずはない




騙されてる




こんなに年上の

結婚もしている私を

好きになるなんて




あるわけがなかった




「シンくん

私のこと・・・・

からかってるの?」





「からかってなんかないよ。

でも・・・

信じてもらえんよなぁ

一回会っただけやし・・」





「・・・・」





「じゃあ、
ボーイフレンドで。

そんでえ~から

これからも
会いたい・・・


話したり

お茶したり

ご飯たべたりしたいんや



うさちゃんと」





「・・・・・・」




うれしかった

ホントは
すごくうれしかった


なのに
本当のことは




言ってはいけない気がした




「あかん?」



言ってはいけない
気がしたけど



シンくんとは
つながっていたかった



「少し・・考えさせて?」



「よかったぁ~」



「え?」



「断られるて
思うてたからホッとしたわ

ありがとな
うさちゃん!」




「う、うん・・」




決していい返事では
なかったのに

しっぽを振る
子犬のような

シンくんの様子に
私の顔が緩んだ




「なぁ、うさちゃん

シンくんやなくて
シンヤって呼んでくれへん?


シンくんは・・・
ちょっと他人行儀やし」




「う、うん」




「言うてみて?」




「シ、シン・・ヤ・・?」




「何?」




「ちょっと・・恥ずかしい」




「すぐ慣れるで」




「うん・・」




「なんか・・・
おちつかへんなぁ・・

うさちゃん
カラオケボックスいかへん?

あそこやったら
誰にも見られへんし

ゆっくり
話できるで?」





「そ、そうね

連れて行ってくれる?」




「よっしゃ!」


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