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許嫁が多すぎる
第5章 第一脱落者
許嫁にお世話される生活は当然続いた。
朝食も、散歩も、昼食もまとわりつかれて、翔太は気が休まる時間もなかった。

特に食事などの全員が介する時は疲れた。

目の前に恋人である千樹さくらがいる中での他の女性からの世話焼きは針の筵に座らされるような辛さがあった。

疲れきった翔太は夕食までの時間を自室に籠るという籠城作戦に出た。

まだ夕食には早いという時間に部屋のドアが遠慮がちにノックされ、翔太はいぶかしがりながらドアを開けた。

「お休みのところ失礼します」

部屋にやって来たのは執事長と物静かなメイドを先頭に、さくらと五人の許嫁というフルメンバーであった。

「ど、どうしたんですか……?」

何か普通ではない気配を察した翔太は恐る恐る執事長に問い掛けた。


「これより第一回の許嫁試験を開始いたします」


執事長は恭しく頭を下げて翔太にそう告げた。

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