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大魔王の子を孕みます
第10章 新月
「魔界の女王になるのはシロだ。つまり私の奥様はシロだけだ。」
俺のヤキモチは勘違いだと言われても、今更、恥ずかしくて機嫌を治す事なんか出来やしない。
「勝手に決めんな…。」
目を開ければ紫の瞳が目の前にある。
綺麗だ…。
俺の大好きな瞳だ。
真っ直ぐでいつも嘘のない瞳…。
ちくしょー。
やっぱり涙が溢れ出す。
「シロは泣き虫だな。」
ライズが笑って俺を抱き上げる。
そして顔中にキスの雨…。
ヤキモチを妬いて恥ずかしいのは俺だけでライズに羞恥心なんか存在しない。
「馬鹿ライズ…。」
「いい加減に機嫌を治せ。」
「妻が居る男なんかお断りだ。」
「まあ、その言葉を認めた頃のエリスは今のリリスよりも幼かったからな。」
「なんだよ。ライズもロリコンじゃん。」
「ロリコンとはなんだ?」
クソ真面目な質問も愛おしいと思う。
「それでエリスは何しに来たんだ?」
俺をお姫様抱っこするライズがラビリンスを歩き出す。
「確認の為に来ただけだ。シロが次の女王になるのだと人狼に言ってしまったからな。噂だけはもう広まってる。」
「それってエリスの父親にバレたら不味くないのか?」
「彼女はもう大人のサキュバスだ。今更、父親が煩く言ったところでどうも思わないはずだ。」
小さなエリスが可哀想だと妻と名乗る事を認めたライズ…。
気分的には嬉しくないが、そこは許してやろうとは思う。
「じゃあ、今は俺だけって意味か?」
「今も昔も女王にしてやると決めたのはシロだけだ。」
さらりと言われると死にそうなくらいに心臓の鼓動が早くなる。
トキメキレベルMAXだからライズがやたらとキラキラ男に見えてしまう。