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大魔王の子を孕みます
第12章 人の村
「シロ様っ!シロ様ってば…。」
「後…5分…。」
兎耳を揺らすミルが俺の上に乗ってる。
「今日は皆様とお出掛けですよ。まだ準備をしてないのはシロ様だけですよ?」
いつまでもグダグダと寝てる俺をミルが起こしてる。
「ライズ…は…?」
「もう、準備を済まされてシロ様をお待ちですってばぁ…。」
夕べ…、というか寝る前に、散々ライズに腰を振らされた俺の身体中が悲鳴を上げてる。
それでも、そろそろ起きなければとベッドから出る。
ライズが居ない今のうちにトイレとシャワーを済ませて着替えなければと思う。
ひとまずはバスローブを羽織り、目標である1人だけのトイレとシャワーを達成する。
1人で出来るって…、なんて素晴らしい事なんだ。
感動に浸りながら、いつものメイド服に着替えをすればライズが
「準備は出来たか?」
と言いながら寝室に戻って来る。
「皆んなは?」
「もう玄関前に揃ってる。」
エスコートするように差し出された手に手を乗せれば、俺の紫の瞳の王子様が手の甲に口付けする。
今からデートに出掛ける気分でライズと玄関前へと向かえば、絵本でしか見た事がない中世ヨーロッパで使われていた貴族風の馬車があり、バイコーンのガーラが馬車に繋がれてる。
「ガーラが馬車を引くのか?」
馬車はちょっとしたワゴン車並に大きいから愛馬であるガーラの身体が心配になる。
「ああ、人の村まではガーラでも全速で半日は掛かるから、それなりの長旅を覚悟しなさい。」
「半日も掛かるのか!?」
あのガーラは一蹴りだけでもかなりの距離を進む。
半日…。
思ってたより遠くて長いな…。
道中が不安になる。