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大魔王の子を孕みます
第13章 女神
俺は魔族の事を知らな過ぎる。
魔族のように羞恥心が無いのは亜人のミルも同じらしい。
「勘弁してくれ…。」
人間ばかりの街の真ん中で俺だけがため息を吐く。
「お姉さん…、元気がないね?お祭りは楽しまなきゃ…。」
そんな声と同時に俺の胸が、突然、脇から生えて来た手でモミモミと揉みしだかれる。
「キィャヤァァアッ!?」
不意打ちの痴漢にあった女が悲鳴を上げる。
「セラフ様っ!?」
メフィストが席を立ち騎士のように跪く。
「セラフ?」
ってライズの父ちゃんの名前?
「君がシロちゃん?超可愛いーねー。」
俺の耳を舐めながらセラフは俺の胸を揉む。
「ちょっ!?オッサン…、気安く触んなっ!」
セラフの手から逃げようとした。
なんて言うか…。
セラフに先代大魔王という面影を全く感じない。
短く刈り込まれた漆黒の髪…。
耳にはチャラくピアスなんか付けてるが、口髭を生やし、見た目はホスト上がりの喫茶店マスターってイメージだ。
ただし、ライズのように綺麗で整った顔はしてると思う。
それに瞳…。
ライズの瞳は透き通った紫だが、この人は濃く深い紫の瞳で俺を見定めるように真っ直ぐに見据えてる。
これが…、ライズの父ちゃん…。
俺がセラフに見蕩れるとチュッと鼻先でリップ音がする。
やたらチャラくて軽いセラフが俺の鼻にキスをした。
「げっ!?」
ライズに殺されると思う俺はセラフに身構えてしまう。
「怯えなくていいよ…、子猫ちゃん。」
セラフがクスクスと笑い出す。
こういう余裕たっぷりで自信満々に笑う顔はライズにそっくりだと俺だけが心臓をバクバクさせて狼狽える。