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大魔王の子を孕みます
第13章 女神
その場に居た勇者を殺し、太陽までもを破壊する。
この世界に夜しか存在しなくなる。
ライズの暴走に神々は黙っていない。
幼いライズを排除すると神々までもが襲って来る。
「あれは彼女の息子だ。当然、戦う道を選んだ。」
「なんで止めなかった!?あんた、父親だろ?」
「私の愛した女を殺されたのにか?あの時の私は私の力の全てをライズ君に譲るしか道がなかった。」
元大魔王がライズのように恐怖のオーラを纏い俺を睨む。
「ちょっと待て…、愛した女って…、魔族には愛の意味がわからないんだろ?」
頭が混乱する。
「わからないよ。でもね、私が今もなお、会いたいと思うのは彼女だけだ。今も抱きたいと思う女は彼女だけだ。それを人間は愛と呼ぶのだと彼女から教わった。」
恐怖のオーラが消えセラフが飛び切りの笑顔になる。
ああ…、そうだ。
ライズはわからないと言いながらも俺を愛してくれてる。
少しだけ心が軽くなった気がする。
「つか…、ライズの母ちゃん、なんか長生きじゃね?本当に人間だったのか?」
「失礼な。私が化け物に子を産ませたと言うのか…。」
「だってライズって億は生きてるんだろ?そんで勇者に傷を付けられたのが5千年前って…。」
「当然だ。彼女の中に私の魔力がある限り、彼女は私が愛したままの姿で生き続けた。」
「そんな事が出来るのか?」
それなら俺はライズの傍にずっと居られると期待する。
期待する俺の目をセラフが紫の瞳で覗き込む。
「その前に君には覚悟があるのか?あれの子を産むという覚悟だ。人々の中にはまだ神々を求めてる者が居る。それは神々の復活を望む者達だ。実際に人々の中には神々の恩寵を持つ新たな勇者も生まれてる。」
セラフの言葉に背筋が凍り付く気がする。