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大魔王の子を孕みます
第14章 勇者
だから俺からライズに向かってキスをしてやる。
ライズが驚いて目を見開く。
大魔王にこんな顔をさせられるのは俺だけの特権だ。
そして俺はニヤリと笑う。
「じゃあさ、ちょっと俺に使える武器を出してくれ。」
俺の望みはそこにある。
「武器?」
ライズが疑いの表情を浮かべる。
「そう、女の俺にも使える細身のレイピアがいいかな。この勇者…、俺が倒すからさ。」
「シロが?」
「殺しはしない。でも人間の女に負けるような剣士を誰も勇者だと認めはしない。この勘違い勇者から勇者って肩書きを俺が倒して奪ってやるよ。」
「しかし…。」
「俺を信じてるって言ったよな?魔族は嘘を言わないんだろ。」
ライズがいつもの困った顔をする。
心配してるのはわかる。
だけど俺の身は自分で守れると、ここで示さなければ俺はずっとあの屋敷に閉じ込められるだけのメイドになる。
「俺を信じろ…。」
俺は剣士シロだ。
ライズの為に戦える勇者になる。
「わかった。」
そう答えるライズから俺は床に下ろされて頭には軽いキスが落ちて来る。
ライズが俺の手の平に軽いレイピアの剣を創り出し握らせる。
柄には薔薇の模様付き…。
例え武器であっても女には花を送ろうとキザな事をする大魔王に恥ずかしくなる。
「ふざけるな…。」
俺とライズのイチャイチャを見てた勇者が剣を構え直す。
「ふざけてないよ。勇者のオッサン…。」
ライズが一歩下がり、俺も勇者に向かって剣を構える。
「オッサン…、俺が本物の剣の使い方を教えてやるよ。」
俺が鼻で笑うと勇者は怒りに顔を真っ赤にする。
「悪魔の女が…。望み通りに殺してやる。」
勇者が俺に剣を振り下ろす。
俺はただレイピアでその剣を受け流す。