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大魔王の子を孕みます
第15章 島
廃墟の教会にやっと到着したジン達、城の兵士によって勇者信者達は仲良く捕縛される事となる。
「勇者を殺さなかったのか?」
人狼であるジンが不満気にグルルと喉を鳴らす。
「殺さない。殺せばシロに嫌われる。」
そういう可愛い事を言ってくれる大魔王が好きだとは思う。
が…。
「そろそろ俺の尻から手を離せ…。」
と俺は俺の胸の谷間に鼻を埋めて嬉しそうに尻を撫でてるライズの鼻を摘んでやる。
「私に抱かれるのが一番気持ち良いのだろ?」
「人前では嫌なのっ!」
「ジンは魔族だ。」
ジンは俺とライズの痴話喧嘩に呆れた顔をしてる。
「それで、この剣はどうする?」
勇者の剣をジンが指差す。
神の刻印がある為に魔族は触れないらしい。
「俺が使う。場合によってはそいつでライズを刺す。」
「それは笑えないぞ…、シロ…。」
「お前の羞恥心を躾する為なら俺はなんでもやる。」
そんな具合で剣は開かずの間に封印する事が決定し、魔族でも運べるように用意された箱に俺が剣を納めてやる。
「さて…、ここからはシロのお仕置だな。」
ジン達が消え、ガーラに2人で乗った瞬間にライズが悪魔の顔へと変わってく。
「なんで、お仕置っ!?」
「私は勝手な事をするなと言ってたはずだ。」
「だってセラフが…。」
「お前はセラフの為に勇者と戦おうとしたのか?」
「違うよ…、それはライズの為…。」
「私に助けは必要ない。」
「そんなのやだっ!」
ライズに助けなんか必要ない事くらいわかってる。
でも俺はライズの為に勇者になりたかった。
「危ない事をするなと言ってるだけだ。シロは人間で簡単に死んでしまう。」
人間に女神と敬われてたほどの母親が目の前で殺された事でライズは俺に過保護になる。