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大魔王の子を孕みます
第15章 島
俺を心配する紫の瞳…。
この瞳に逆らえない俺は大人しくライズに身を委ねる。
「シロ…。」
「2人…、だけになれる場所が欲しい。」
2人っきりなら多少の過保護も我慢が出来る気がする。
「わかった…。」
俺達は人の村へ戻りライズがガーラを魔族の森へ帰す。
セラフの海岸まで行き、俺をお姫様抱っこする。
もうすぐ夜が明ける。
海の向こう側が白くなってる。
「飛ぶぞ…。」
ライズの身体が宙を浮く。
「すげーっ、どうやって飛ぶの?俺にも出来る?」
「魔力の無いシロには無理だ。」
「ライズの魔力があるじゃん。」
「勇者との戦いでシロがどれだけの魔力を消費したのか、わかってるのか?」
「そんなに使ったの?」
「ほぼスッカラカンにな…。」
「ごめんなさい…。」
人間である俺が魔力を消費すると魔族の10倍は必要になる。
ライズがフォーク1本すら俺に持たせたがらない理由はそこにあるらしい。
「私の子を孕む為の魔力だ。」
「わかってます。ごめんなさい…。」
不機嫌な大魔王の頬にキスをすれば大魔王も少しは機嫌を治して笑ってくれる。
「今日のシロは素直だな。」
ライズが穏やかな表情を見せる。
いつだって素直で居たいよ。
「ライズが意地悪するからじゃん。」
「お仕置をしなければシロが反省してくれない。」
抱きかかえられてる俺の身体にスッとライズの身体が落下してる感覚が流れ込む。
トンッと軽やかにライズが地面に着地する。
朝日の中で俺は目を見開く。
「すげーっ!何、ここ?すげーよ。」
興奮して感動する俺をライズが降ろしてくれる。
「セラフが母の為に創った島だ。」
ライズが少し照れたようにはにかめば、そこにセラフのはにかむ顔が重なった気がする。