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大魔王の子を孕みます
第3章 テラス
「待てっ!とにかく待てっ!」
そう叫びながらベッドの上で後さずればライズが不思議そうに俺を見る。
「何を待つ必要がある?」
犬とは違い簡単にライズが止まるはずもなく、身体を小さくした俺の太腿を撫でて来る。
ライズは俺とやる気満々だと思うだけで俺の手は震え出す。
「まっ…魔族に男も女もないのはわかったよ。けど俺は人間なの。人間っ!わかる?身体は女でも心は男なのっ!」
「それも、そのうちに治まる。」
「治まるわけねーよ。大体、人間の女ってのは、その気にならないと嫌なんだよ。」
「私が抱けば、その気になる。」
「ならないつーのっ!怖いんだよ。俺はあんたが怖くて堪らないんだよ。その気になんかならないし、その気にならない男の子なんか絶対に孕まないっ!」
こんな説得が通用するかはわからない。
ただ、ライズを怖いと感じるのは事実…。
だからなのか、俺の大きな瞳からはボタボタと涙が流れ出る。
「ふむ…。」
何かを納得したライズが素直に頷くから驚いた。
ライズの表情が穏やかで優しい表情へと変わる。
俺の心の何処かでやっぱりライズってカッコいいじゃんとか悔しい気持ちと少しときめく想いが交差する。
ライズがそっと俺の涙を拭き取り、ゆっくりと俺のコルセットのリボンを締め直す。
崩れたメイド服の身なりを整えるとベッドから降り立つライズが俺に手を差し出す。
「お前をその気にさせればお前は私の物になるのだな?人間とはそういう生き物か?」
優しい声で聞いて来る。
まるで絵本に出て来る王子様だ。
照れ臭くて不貞腐れる俺だけど、ライズから差し出された手をそっと握ってみる。