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大魔王の子を孕みます
第1章 デュセリオン



まあ、キスくらいの行為は可能だからとデュセリオン婚活を行うユーザーとか存在する。

婚活する時はリアルアバター使用の義務があるからと俺はそれをやる勇気がなかった根性無し剣士だ。

大体、女なんて、自分が欲しいデュセリオン硬貨を集める為だけに俺に近寄って来てモンスター退治をさせるくせに、そのデュセリオン硬貨で可愛いアバターファッションを手に入れた瞬間、他のユーザーの恋人になってたりする。

リアルでオタクの俺は女の子に気の利いた事すら言えない、つまらない男だから…。

モンスター退治攻略の知識だけは大量に所有してるが、そんなものをひけらかされても女の子は引くだけらしい。

ビショップの千夏さんに、その辺りを随分とレクチャーされて来たが、最後は俺が面倒臭いと感じて終わってしまう。


「別に、いいさ…。」


そう呟いてログアウトする。

リアルじゃ俺はオタクの士郎…。

ただ、デュセリオンでは違う。

ちょっとした有名人でそれなりに人気もある。

デュセリオン初心者は剣士『シロ』に相談すれば困る事はないとか言われ、聖人扱いにもなってる。

今回だって、もしも大魔王討伐が成功すれば、スペシャルジョブとして『勇者』の称号が貰える。

『勇者』のジョブはデュセリオンでの最高ジョブ…。

未だ、誰も獲得してない幻のジョブだ。


「しかも『勇者』になればデュセリオンコンプリート記念としてスレイブの街にある中央広場に銅像まで建てて貰える。」


今の俺のレベルはカンストして最高クラスの450レベル…。

ここ数年、レベル解放が無いという事は大魔王退治に必要なレベルが450って事なのだろう。

俺はそのレベルに到達してる。


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