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片時雨を抱きしめて
第1章 第一章 自覚




「雪乃! 青木となんかあったの? 最近例の呼び出し、ないじゃん」

昼休み、芽衣がにかっと笑った。黒染めの取れかかった茶色い髪が揺れる。
短すぎるスカートにちらちらとのぞくピアス。生徒指導の常連。そんな芽衣は友達の少ない私の唯一の友達で、私の顔色の変化にすぐに気づく。

「んーなんもないよ? いやあ、だるくて。テキトーに理由つけて逃げてるんよ」

えー青木かわいそう、芽衣がまたけたけたと笑って私のとなりを歩いた。

「ね、雪乃、結局進路希望なんて書くの?」

芽衣が私のカーディガンの裾をつかんで不安そうに問うた。

「んーお嫁さんかなあ、目指せ玉の輿!」

私が芽衣のほうを向いておどけて笑うと、芽衣も少しだけわらった。

芽衣は、なんて書いたんだろう。
ただただ明るくて不真面目な芽衣も、ここを出たら何者かになるのだろうか。
私は何もきけないで、購買で安いパンを買った。


ママと、話そう。
パンを選ぶ芽衣の綺麗な横顔を見ながら、そう思った。



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