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第2章 再び、いつもと同じ夜ゴト

「さあ、準備できたわ！申し合わせ行きましょう」


「おお、了解だ」


二人のなり切り激劇場お決まりの、事前申し合わせが始まった。


「ハハハ…、そういうことか。要は、今夜のシュチエーション、倦怠期の不倫カップルが心機一転、互いのセフレとのハメ撮り動画を見せあいながら、刺激を煽るって訳だな。そんで、互いにムラムラ欲情した段でベッドインってシナリオか…。その後は、セックスレス夫婦のカムバックエクスタシーならぬ、塾エッチだ」


「まあ…、表面的にはそうなんだけどさ、キモはそこじゃないわ。エッチを興じるための不倫から、愛あるハメにメンタルがスライドする流れなのよ」


「はあ…？？」


＊＊＊


「先日のＡＶ撮影のテーマはさ、長いドライな円熟した不倫関係の二人がね、マンネリ打破で互いのセフレとのハメ撮りで刺激し合って、さあ、互いにコーフンしたから、レッツファックってノリなのよ、確かに。当初はね。でもね、ｉｐａｄ観て、性的刺激以外の何かが二人を貫通した…。そして、いざハメ合うと、これまでと血がった相手への感情が生まれるの。ああ、ラスストーリーは原稿起こしてきたから、セリフとかはこのプリントアウト見て…。その間、シャワー浴びてくるわん！（笑＆チュー）」


そして、Ｓ氏はもう一本缶ビールを冷蔵庫からとりだし、本日のシナリオに目を通した。


”なになに…、ふーん、アハハ…、何か今日の設定はかなり凝ってるな。たかだかＡＶだろ。所詮、ストーリーなんぞと言ったって、ファックに至るまでのシュチエーション作りと艶技の絵柄、それとあえて言えばオチか。文芸ものじゃあるまいし、テーマがどうのこうのなんかカンケーねえだろ”


ともあれ、責めも受けもソフトからハードまで、ことエッチに関してはオールラウンドプレーヤーを自負するＳ氏は、ややイレギュラーな今回の設定にも余裕をかまして、テーブルにあったポテトチップをバリバリ口に頬張り、Ｆ美の”帰還”を待った…。