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蕾は開き咲きほこる
第12章 昔のキミも今のキミも
「すごい活気ですね」
「普段はここまではないんですけど、年末と言うのもあっていつも以上の賑わいになってますね」
光春さんの住んでいるマンションから程近くにある商店街は、八百屋さんや魚屋さんの威勢の良い掛け声が聞こえ、下町を思わせるほど風情があり活気に溢れていた。
その中を、手を繋いで歩きながら夕食に何を食べようかと店先に並んだ品物を見て回った。
「揚げたてのメンチカツ……おいしそう」
「買い食いしましょうか」
肉屋さんの前を通ると揚げたてメンチカツの看板が目に留まり、寒空の下で揚げたてのメンチカツを食べることにした。
注文して5分でキツネ色に上がったメンチカツを受け取り光春さんとふたりで揚げたてのメンチカツを頬張る。
「外はサクサクで中はジューシーですね」
「はい、とってもおいひいですっ」
口の中いっぱいに広がる火傷しそうなほど熱い肉汁にホフホフいいながらおいしいメンチカツを食べた。