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蕾は開き咲きほこる
第12章 昔のキミも今のキミも
凄む大将に怯むことはなく人差し指で大将の胸をツンとつついて言い返すと、大将は何も言わずに光春さんに鉢盛を渡して背中を向けて仕事を始めた。
だけど後ろから見てもわかるほど大将の耳は真っ赤で、大将が女将さんに惚れこんで結婚したのは真実だったらしい。
「変なところを見せちまったね」
奥さんは仕事を始めた大将に優しい視線を送りながら恥ずかしそうに笑う。
「いえ、仲が良くて微笑ましいですね」
「そんな大層なモンじゃないよ。ただお互いの性格がカチッとはまっただけだからね。それでも、それが一番だよ。持ってないものを補い合って支えていく。結婚ってのはそういうもんだよ。だから喧嘩しながらも今まで一緒にいられるんだ。――お兄さんたちもいつまでも仲良くね」
最後まで私と光春さんを夫婦だと思い込んでいる奥さんは、その足で大将の隣に行って一緒に仕事を始めた。
まだ耳まで真っ赤な大将は、寄り添ってくれる女将さんを同じようなやさしい眼差しでみつめながらも悪態をつきながら仕事をしていた。
だけど後ろから見てもわかるほど大将の耳は真っ赤で、大将が女将さんに惚れこんで結婚したのは真実だったらしい。
「変なところを見せちまったね」
奥さんは仕事を始めた大将に優しい視線を送りながら恥ずかしそうに笑う。
「いえ、仲が良くて微笑ましいですね」
「そんな大層なモンじゃないよ。ただお互いの性格がカチッとはまっただけだからね。それでも、それが一番だよ。持ってないものを補い合って支えていく。結婚ってのはそういうもんだよ。だから喧嘩しながらも今まで一緒にいられるんだ。――お兄さんたちもいつまでも仲良くね」
最後まで私と光春さんを夫婦だと思い込んでいる奥さんは、その足で大将の隣に行って一緒に仕事を始めた。
まだ耳まで真っ赤な大将は、寄り添ってくれる女将さんを同じようなやさしい眼差しでみつめながらも悪態をつきながら仕事をしていた。