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蕾は開き咲きほこる
第12章 昔のキミも今のキミも
「私も……です。私も光春さんだから……」
恥ずかしく思いながら今の気持ちを言葉にすると、光春さんは瞳を細めながら優しく私の髪の毛を梳き始めた。
その指が首筋に触れるたびにゾクゾクし、耳朶を掠めた時には自然と甘い声が漏れた。
「ンッ……」
「汐里も私と同じように欲情してるんですね」
光春さんは嬉しそうに笑みを零し、髪を梳いていた手で私を引き寄せ唇を重ねた。
唇を開くとすかさず光春さんのヌルっとした舌が伸びてきて口内を荒すように唾液ごと舌を絡めてくる。
その舌を受けとめて今まで以上に熱く激しいキスを交わした。
キスが終わる頃にはお互いに欲情しきった表情を隠すことはなく、光春さんの瞳は獲物を狙うかのようにギラギラと強い光を放っていた。
普段は物静かで優しい光春さんが私にだけ見せる男の部分。
光春さんだから怖くはないし、私だけに欲情してくれると思うと、そのギラギラとした強い眼差しも愛おしくなるし、その強い眼差しを向けられるだけでドキドキした。