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蕾は開き咲きほこる
第15章 私に出来る事
「どうして視線を逸らすんですか?」
頬に手を添えて顔をあげさせられると、先ほどと同じような力強いまなざしで見つめられた。
そんな瞳で見つめられると何もかも話したくなる。
だけど、アブノーマルな世界と言われた映像を見て、身体を熱くさせていたとは口が裂けても言えないし、知られてはいけない。
そんなことを知られたら嫌われてしまうと、キュッと唇を結んだ。
押し黙る私を見ても機嫌を損ねることなく笑う。
「汐里の言う通り同僚たちが出勤してくる頃合いですね」
何事もなかったかのように話しかけてくれる光春さんにホッとして、いつものようにコーヒーを入れるために応接室を出て給湯室に向かった。
だから、光春さんがポケットからスマホを取り出して検索していたことを私は知らないし、検索した商品を買っていたことも、私は知らなかった――……