この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬

「不安な気持ちにさせてしまったようですね。ですが仕事上の付き合いですから、そこに個人的な感情はありませんよ」
「それでもっ!!!それでも、あの人が光春さんに触るのがイヤ!光春さんが笑いかけるのもイヤ!あの笑顔を向けていいのは私だけ!他の人に見せちゃダメです!!」
宥められる様に言われても、イヤだと言う気持ちが消えることはなかった。
必死に自分の気持ちを訴える私と違って、光春さんは一人納得したように目じりを下げて笑う。
「汐里の気持ちがようやく分かりました」
その言葉にムッとすると、光春さんの指が頬を優しく撫でてくる。
そんな事では胡麻化されないと睨み返すと、少し困ったような、それでも嬉しそうな表情を私に向けた。
「そんなに怒らないでください。別に汐里を馬鹿にしたりして笑ったわけじゃないんです。以前、汐里が私に言った言葉の意味が分かったと思ったんです」
「私の、言った言葉?」
私の問いかけに光春さんは私をギュっと抱きしめ安心感をくれる。

