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蕾は開き咲きほこる
第23章 告白
「私が会社で他の人たちと話せるようになったのも羽間さんのおかげです。今日だって、この前、高橋さんたちと飲みにいったおかげで楽しく過ごせました。これも全て羽間さんのおかげです。感謝してます」
考えてみれば一度もお礼を言った事がなかった。
光春さんからのお願いだったとしても、面倒がらずに話しかけてくれたのは羽間さん本人で、それがなければ今のように社内で楽しく過ごすことはなかったと思う。
改めてお礼の言葉を口にすると、羽間さんは静かに首を横にふった。
「別に俺は何もしていないよ。ただきっかけをつくっただけだし」
「それでも、そのきっかけがなければ未だに一人だったと思います。こんなにも会社に来るのが楽しいなんて思ったこともなかったし、人と関わることが楽しいと思わなかった。大げさかもしれないけど……私の人生が180度変わったんです」
光春さんとつきあい始めたことも人生が変わる転機だったけど、羽間さんが気にかけて話しかけてくれたのも大きかった。