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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
「それでも彼氏としては心配なのよ」
「心配なんてする必要もないんですけどね」
こんな私がモテるわけもなく、それは不必要な心配だと思っていても光春さんは過保護な程心配する。
「これだから心配なのよ」
私の言葉に桜子さんは呆れた声をあげた。
「汐里ちゃん。自分が可愛いって自覚ある??」
「またまたぁ~何言ってるんですか。変なこと言わないでくださいよ」
桜子さんの言葉にケタケタ笑いながら否定すると、桜子さんは大きなため息をついた。
「本当に自覚ない子ね。光春くんが心配するわけだわ――良く聞いてね。光春くんとつきあいだしてとても明るくなったわ。良く笑うようになったし光春くんのためにオシャレするようになった」
桜子さんの言葉は自覚している事で、うんうんと頷いた。
「そこは自覚があるのね」
「はい。洋服を買いに行くのが楽しいです」
光春さんと付き合うまではオシャレに無頓着で、洋服なんかも着られれば良いとネットで買うだけだったけど、今ではお店に見に行って自分に合う服を見つけるのが楽しくなっていた。