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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
高畑のおばあちゃんの話をしているとなんだかしんみりして静かな空間ができあがり、その空間を消し去るように桜子さんが明るい声を出した。
「そういえば、今年は見に行かないの?藤棚。去年は雨で行けなかったわよね」
その目線の先には満開に咲く藤の花の写真が飾ってあった。
「明後日に行く事にしてますよ。今年は天気も良さそうですし、あの時と同じように満開だそうです」
光春さんは後ろを振り返り、この時期にだけ飾られる写真を見ていた。
最後に末広さんが撮った写真を……
「それでお誘いなんですが、一緒に行きませんか?」
「「えっ?」」
光春さんの言葉に私だけではなく桜子さんも驚いた声をあげた。
それもそうだろう。
その場所は末広さんと最後に会った場所。
それも喧嘩別れをした場所で、その喧嘩がなければ末広さんは生きていたかもしれないと後悔だけが残る場所だった。
そんな場所に一緒に行かないかなんて、桜子さんの心情を思うと苦しくなる。
「そういえば、今年は見に行かないの?藤棚。去年は雨で行けなかったわよね」
その目線の先には満開に咲く藤の花の写真が飾ってあった。
「明後日に行く事にしてますよ。今年は天気も良さそうですし、あの時と同じように満開だそうです」
光春さんは後ろを振り返り、この時期にだけ飾られる写真を見ていた。
最後に末広さんが撮った写真を……
「それでお誘いなんですが、一緒に行きませんか?」
「「えっ?」」
光春さんの言葉に私だけではなく桜子さんも驚いた声をあげた。
それもそうだろう。
その場所は末広さんと最後に会った場所。
それも喧嘩別れをした場所で、その喧嘩がなければ末広さんは生きていたかもしれないと後悔だけが残る場所だった。
そんな場所に一緒に行かないかなんて、桜子さんの心情を思うと苦しくなる。