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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩
「次は光春くんと汐里ちゃんを撮ってあげる。光春くん貸して」
一通り撮ってもらって満足した桜子さんは光春さんからカメラを借りていた。
普通のカメラとは違う一眼レフカメラ。
オートで撮れば私でも撮れるけど、桜子さんも光春さんと同じようにマニュアルで撮るようだった。
「一眼レフ触るの久しぶりだわ」
桜子さんは嬉しそうに光春さんに確認していた。
「いつ以来なんですか?」
「そうね……末広が亡くなってパタッと撮るのやめちゃったからね。5年ぶりかしら?」
桜子さんは何でもないように答えていたけど、最後にここに来たのが撮影目的だったと知っていたのにと、自分の配慮のなさにイヤになった。
「ごめん、なさい」
「何で汐里ちゃんが謝るの?もう過ぎた事だし、今日ここに来れたこと、やめていたカメラを手に持ったこと、嬉しいのよ。だから、汐里ちゃんが気に病むことでもないし、逆に誘ってくれて感謝してるのよ」