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美女の身影
第17章 支配
アルコールのおかげもあって緊張はほどよく解れていた。

お互いの大学の話しや一人暮らしで大変なこと、バイトの話などたわいもない会話が続いていた。

長坂佑奈はそれほど強くないのかカクテルを半分くらい飲んだところで少しだけ頬がピンク色に色づいているように見えた。


達之「そういえばなにか相談があるって言ってたよね?」

佑奈「うん?」

アルコールのせいだろうか、こっちを見た佑奈の瞳が妖艶さを纏っているような気がしてドキリとする。

達之「いや、メッセージで書いてたやつ」

佑奈「あ、あれね!ごめん」

達之「うん」

佑奈「ホントに言いにくいんだけど・・・」

達之「・・・なんだろう・・・?」

佑奈「友達から飲み会開けないかって言われてて、そういえば相田くんも東京だったなと思って連絡したの」

達之「それは、その、合コン的な事?」

佑奈「うん、ごめんね、急に・・・でも無理そうだったら無理で大丈夫だから」

達之「そういうのよく行ってるの?」

佑奈「誘われて、たまにね」

達之「なるほど今度は長坂さんが頼まれちゃったんだ」

佑奈「そういうこと・・・笑」

長坂佑奈が連れて来る女友達とはどんな面々になるのか、ハイレベルな事には間違いないなと達之は思った。


ただ佑奈に合コンを頼み込んでくるような積極的な女子のお眼鏡に叶うような男を用意できる自信は達之にはなかった。


誘えば大学の男友達達は喜んで集まるだろうが、実際女子たちと対面したときに緊張でガチガチになってしまうかもしれないなと達之は思った。
佑奈1人にまず圧倒されることは間違いないし、佑奈の友達がハイレベルな女子だった場合、男女間の会話がうまくいかず最悪な空気になる事も考えられる。


長坂佑奈はその辺の同い年の男で太刀打ちできるようなレベルではないのだ。
高校時代に達之も含め大多数の男子達がただ憧れることしかできない対象だったように、大学の友人達も同じようになってしまう事は明白だった。


達之がそんな事を考えていると、悩んでいるように見えたのか佑奈が気を遣うように声をかけた。


佑奈「急に言われても難しいよね、もしできそうだったらで全然構わないから」


でも、ここで断って全然知らない男達と長坂佑奈が合コンするとなるとそれはそれで悔しさがあるので、「聞いてみるよ」と達之は答えてしまっていた。
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