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美女の身影
第18章 流出
『っ・・・ッ!ぁッ・・・・んッ!ぁッ・・・・ッ』

中里康平は隣りに住む女子大生の部屋から妖艶な喘ぎ声が聞こえて来てから、壁に耳を押し付けて伝わってくる音を必死になって聞いた。


中里は今年30歳になったが、彼女いない歴=年齢だった。
素人の女性はおろか、プロの女とも交わった事がない所謂童貞だった。
システムエンジニアとして勤務し職場でも一人で没頭する作業が多いため、業務上のこと以外で女性と話す機会はほぼゼロと言っていい。

今年の4月に隣の空き部屋に女子大生が引っ越して来て、彼女を始めて廊下で見かけた際にあまりにも顔が整っていて、緊張から少し声を上ずらせながら挨拶した事を覚えている。

口元に薄っすら笑みを浮かべて、挨拶仕返してくれたが、どう考えても自分とは住む世界が違うなと中里は思った。

見た目も、性格も、若さも、中里が彼女と接点を持つことは途方無く遠い事象のように感じた。

生活音が聞こえてしまったらどうしようかと考えていたが、せいぜい聞こえて来るのは玄関のドアが閉められる音くらいなもので、何も無い日々が刻々と過ぎた。

ただの隣人ということ以外、お互いの接点は何も無い状況がこのまま続いて行くものと中里は考えていた。


それが今日になって全てがひっくり返るような出来事が起きた。

あの美しい見た目の女子大生が部屋の中で誰かとイヤらしい行為をしているのだ。
廊下ですれ違った時の彼女のルックスを必死で思い浮かべる。

まずあの清楚な見た目な女の子がこの声の主だと言うことに驚いた。

壁の向こうからこっちまで聞こえてくるということはそれなりの音量で喘いでいることになる。

色っぽい声色で喘ぐのが何ともいやらしかった。
どんな男に抱かれているのかしたくなくても想像してしまう。

中里はあまりにも刺激的な状況に、興奮のままパソコンを立ち上げて掲示板でスレッドを立ち上げた。

【隣の女子大生の部屋から喘ぎ声が聞こえてくるんだが】
という題名で中里はスレッドを立ち上げた。
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