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第24章 危険な誘惑（1）

それから黒井は2回、3回と佑奈を食事に誘った。
美味しい料理を前に目を輝かせる彼女を見るだけで黒井は嬉しい気持ちになった。


会うたびに美しさが研ぎ澄まされているようで、見惚れてしまう。2人で歩いているとすれ違う人々がチラチラと佑奈の事を見ている事が分かる。
そんな美人と食事に行けるということが黒井にとっていまだに信じられない。
黒井は完全に佑奈の事が好きになっていた。


食事中に今度は少し遠出のドライブデートに行かないかと誘ってみた。


佑奈はニッコリと微笑みながら「いいですね。どこ行きます？」と返答してくれた。


黒井はガッツポーズしたいくらいだったが、平静を装い「考えとくよ」と返事をした。


これで4回目のデートも取りつける事に成功した事になる。
自分でも信じられないが、なかなかいい感じなのではないかと思った。
佑奈の柔らかい笑顔をみると、好意的に見てくれているのではないかと黒井は思った。


食事終わりに夜景が見えるスポットで黒井は佑奈に交際を申し込んだ。


だが、佑奈の反応は黒井が想像していたものとは違った。
彼女は戸惑いの表情を浮かべて、「ごめんなさい」と申し訳なさそうに返事をした。