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墜ちてイク~性奴隷妻は羞恥指令に躯は溺れて……。
第23章 チャプター23
 絶頂が近いことを予期しながら、郁美は元夫の隆一のことを考えていた。
 おそらく、郁美は隆一のことを愛してはいなかったのだろう。郁美に少しでも、隆一に対する愛情が残っていれば、夫婦関係を解消しようとは思わなかったのだが、この数日のことを振り返ってみると、そう思わずにはいられなかった。
 色地獄からようやく、抜け出すことができて、郁美のなかに普通の暮らしに対する憧れがまだ、残っていたのだろう。それを叶えてくれた隆一には、今も感謝はしているし、こういう結果を選んでしまったことについては、後ろめたさはあった。が、こうすることが隆一にもきっと、いい結果をもたらすはずだった。愛情を抱けない相手と、いつまでも夫婦を続けることに、意味はないのだから。
「あぁッ!」
 郁美は四つん這いのまま、顔を伏せた。シーツをつかみ、躯を震わせた。
「だめ――だめ、だめッ! 逝く……逝っちゃう!」
 ぎりぎりまで、性感に抗しようとしていたが、それも限界のようだった。頭のなかが真っ白になり、腕から力が抜けた。上体を支えていることができなくなり、ベッドの上に突っ伏してしまった。
 男は郁美のお尻を抱えると、斜め上から振り下ろすようにして、ピストン運動を続けた。
「は……あッ! 激し……あはァ、もう……あぁッ!」
 郁美は背中をのけ反らした。肉の悦楽一色に染められ、自分がどんな姿勢をして、どんな表情を浮かべているのか、まったくわからなかった。肉欲をより深く味わおうと、腰が淫靡に動いた。恥ずかしいとも、何とも思わなかった。ただ、悦びを甘受することしか、考えられなくなっていった。
「あぁ、出る! だ、出すぞ!」
 男が獣じみた声をあげた。ピストン運動を極め、奥へと一気に突き入れてきた。
「逝って! わ、わたしも――逝くぅ!」
 やがて――男のしぶきを、膣に感じた。それにやや遅れて、郁美も到達した。
「あぁッ!」
 郁美は脱力すると、ベッドに完全に俯せに倒れ込んだ。男も力を失ったように、郁美の躯の上に覆い被さってきたが、絶頂のさなかにある郁美は、もう何も気にはならなかった。ただ、躯を震わせて、悦びが全身に染み渡っていくのを、感じていた。
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