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第2章 チャプター02

　男は今度は郁美の肉芽を、舌で愛撫してきた。舌先でつついたり、全体をこねるように舐めあげてきた。そうしながら、指を二本、膣に差し入れてきた。奥まで深く入れると、指を広げながら、引き抜くのを繰り返してきた。
　ーーあッ、あぁ～。
　声が漏れそうになるのを、郁美は唇を噛んでこらえた。そうしながら、男が愛撫しやすいように、腰の位置を変える自分は何て浅ましい女なのだろうと思った。が、そう思うこと自体が、郁美に性的な興奮をもたらしていた。
　男が郁美の秘所から、顔を離したようだった。熱い吐息が遠ざかり、指も完全に引き抜かれてしまった。郁美は深く、溜息をついた。
　が、それも一瞬のことだった。男は郁美のお尻の穴に納まったままのアナルプラグに手をかけてきたのだ。
「あ！」
　不意打ちを食らって、思わず声をあげてしまった。が、男はそれに手を止めることはなかった。アナルの周辺を舌で舐めながら、アナルプラグをゆっくりと、引き抜いてきた。
　郁美は顔をしかめた。眉間にしわが寄り、全身に力が入った。
　プラグを差し入れる時とはまた違う、まるで排泄をしているような、快感とは程遠いその感覚に、悪寒が走った。ただ、プラグを抜き去ろうとしているだけ。頭ではわかっているのだが、本当に排泄をしてしまったらどうしよう。そう、考えてしまうと、意識が飛んでしまう。後ろを振り返るのも怖くなってしまった。
「ケツの穴を仕込まれたってことは、あんた、こっちでもいけるのか」
　男が急に、話しかけてきた。
「……え？」
　何を言われているのかわからず、郁美は半ば上の空で、聞き返していた。
「アナルセックスだよ。経験あるのか」
　言葉を返すのに、やや時間がかかってしまった。口中に溜まった唾を飲み込むと、
「ええ、そうよ。経験あるわ」と、答えた。
「……あんた、本当のヘンタイだな」
　痴漢には言われたくない。郁美は思ったが、言い返したりしなかった。
「ええ、そうよ。あたしはこんな駅の男子トイレで犯されるのを望むような、ヘンタイ牝女なの」