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遠き記憶を染める色【完結】
第1章 記憶の中
その一報が彼女の住む大岬にもたらされた3日後、流子と父親は本家にお呼ばれして夕食時、本家の居間へ赴いていた。
「流子‥、サダ坊なあ、何とか事務所にかけ合って、仕事のスケジュール調整ができたそうだ!おめえが家に帰ってくる7日の日中まではこっちにいられるってよう。あー、よかったよう。なー、ハハハ…」
流子の父洋介はその晩、カップ酒を片手にご機嫌だった。
「そんで、流子ちゃんはよう、7日はその長野の合宿から何時くらいに帰ってこれらるんだあ?」
潮田本家の当代主である、流子の父の兄、磯彦はサダトの義理の叔父に当たる。
「たぶん、大岬のバスターミナルには5時半ごろに到着する予定らしいって聞いているんですけど…」
「なら、洋介が車で迎えに行ってやりゃあよう、ここには6時前に着くなあ…」
「いやあ、これで流子ちゃんも全国区で有名になったサダトさんの顔を拝めるわけね。よかったねえ~」
磯彦の妻、映美子は潮田家本家へ嫁いで3年目の後妻であったが、年は夫より一周り以上下の30代前半で、彼女的には誰よりも全国アイドルの遠い親戚の息子を待ちわびていた…。
「流子‥、サダ坊なあ、何とか事務所にかけ合って、仕事のスケジュール調整ができたそうだ!おめえが家に帰ってくる7日の日中まではこっちにいられるってよう。あー、よかったよう。なー、ハハハ…」
流子の父洋介はその晩、カップ酒を片手にご機嫌だった。
「そんで、流子ちゃんはよう、7日はその長野の合宿から何時くらいに帰ってこれらるんだあ?」
潮田本家の当代主である、流子の父の兄、磯彦はサダトの義理の叔父に当たる。
「たぶん、大岬のバスターミナルには5時半ごろに到着する予定らしいって聞いているんですけど…」
「なら、洋介が車で迎えに行ってやりゃあよう、ここには6時前に着くなあ…」
「いやあ、これで流子ちゃんも全国区で有名になったサダトさんの顔を拝めるわけね。よかったねえ~」
磯彦の妻、映美子は潮田家本家へ嫁いで3年目の後妻であったが、年は夫より一周り以上下の30代前半で、彼女的には誰よりも全国アイドルの遠い親戚の息子を待ちわびていた…。