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遠き記憶を染める色【完結】
第25章 今生の別れとその衝撃
今生の別れとその衝撃
「おお、流子‥、気がついたか!大丈夫か?」
「お父さん…、私…、ここは…?」
「有波先生の病院だ。…お前、気を失ったまま、白目を剥いて痙攣してさ…。ここに運んだんだ」
「流子…」
流子の両親は意識を取り戻したことを喜ぶより、むしろ事の事態を捉えた娘の反応に恐れを抱いていた様子であった。
***
「…夢じゃないの?…お兄ちゃん、死んじゃったって…、何かの間違いでしょ?ねえ、お父さん、お母さん…!!」
「…」
洋介と絹子は俯くだけだった…。
「やだー!!やだよーー!サダト兄ちーゃん…!」
夜7時半…、海岸べりの有波病院からは、流子の絶叫悲しくがこだましていた。
まだほんのり明るい波打ち際では、その声に応えるかのように、にわかに岸壁へ押し寄せる波が荒くなってきた…。
***
「えー!!じゃあ、甲田サダト…、自分で自分の”アレ”切って…?」
「でも、まだ彼のアレ、発見されてないんでしょ?じゃあ、わかんないよ。…仮に海へ間違って落ちて、魚とか漁船のモーターとかに接触して切断されたとか‥」
「一応、遺書が見つかったらしいから…。でも、まだいろんな可能性、考えられるってことは言ってたよね。他殺説も消えてないでしょ、実際…」
「どっちにしても、流子のショックはカンペキ、ヤバイよ。今だ学校にも来れてないし‥」
高校のクラスメート3人は、思わず主のいない机に視線を注いでいた…。
事件発覚から1週間あまり‥。
甲田サダトのあまりのも衝撃的な死は、世間の注目を一身に集めていた。
***
「おお、流子‥、気がついたか!大丈夫か?」
「お父さん…、私…、ここは…?」
「有波先生の病院だ。…お前、気を失ったまま、白目を剥いて痙攣してさ…。ここに運んだんだ」
「流子…」
流子の両親は意識を取り戻したことを喜ぶより、むしろ事の事態を捉えた娘の反応に恐れを抱いていた様子であった。
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「…夢じゃないの?…お兄ちゃん、死んじゃったって…、何かの間違いでしょ?ねえ、お父さん、お母さん…!!」
「…」
洋介と絹子は俯くだけだった…。
「やだー!!やだよーー!サダト兄ちーゃん…!」
夜7時半…、海岸べりの有波病院からは、流子の絶叫悲しくがこだましていた。
まだほんのり明るい波打ち際では、その声に応えるかのように、にわかに岸壁へ押し寄せる波が荒くなってきた…。
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「えー!!じゃあ、甲田サダト…、自分で自分の”アレ”切って…?」
「でも、まだ彼のアレ、発見されてないんでしょ?じゃあ、わかんないよ。…仮に海へ間違って落ちて、魚とか漁船のモーターとかに接触して切断されたとか‥」
「一応、遺書が見つかったらしいから…。でも、まだいろんな可能性、考えられるってことは言ってたよね。他殺説も消えてないでしょ、実際…」
「どっちにしても、流子のショックはカンペキ、ヤバイよ。今だ学校にも来れてないし‥」
高校のクラスメート3人は、思わず主のいない机に視線を注いでいた…。
事件発覚から1週間あまり‥。
甲田サダトのあまりのも衝撃的な死は、世間の注目を一身に集めていた。
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