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最後のキス~琉球の海を渡る風~ 
第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~
 藍那は泣き笑いの顔で首を振る。
「あんまり嬉しくて涙が出ました」
「急に泣き出すから、愕くではないか。まったく心臓に悪いぞ」
 王は口調とは裏腹に怒っている風もなく笑っている。彼の背後に、今を盛りと咲き誇る白い花があった。そういえば、庭園の奥まった一角には、それは筏葛(いかだかずら・ブーゲンビリア)が美しい場所があると女官長が話していたことを思い出す。確か、そのときには王も同席していたのではなかったのか。
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