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最後のキス~琉球の海を渡る風~
第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~
王の言葉はもっともといえた。二百年前に風邪をこじらせて肺炎になったとしたら、果たして助かるのだろうか。極めて現実的な疑問に行き当たり、藍那は戸惑いながらも着物を脱ぐしかないと覚悟を決めた。
帯を解き、ゆっくりと脱いでゆくのを王が傍らで見つめている。また更に二人を包む空気が熱さを増したようだ。雨の音しか聞こえるもののない世界に響く衣擦れの音は、心なしか凄くエロティック(淫ら)に聞こえる。