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最後のキス~琉球の海を渡る風~
第4章 Forever~永遠~
藍那は一応朝親方に頭を下げ、そのまま王の寝所に駆け戻った。
枕頭には侍医が侍っているが、その顔は酷く蒼白い。その様子から、藍那は既に王の生命が尽きようとしているのを悟った。
「王妃と話がしたい。二人きりにしてくれ」
病人の最後の頼みと判り、侍医は頷いた。藍那に丁重に頭を下げ、寝所から出ていった。
王の唇が戦慄いた。最初はよく判らなかったが、直に、それが何かを伝えようとしているのだと判り、藍那は側にいざり寄った。