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最後のキス~琉球の海を渡る風~
第5章 The king who disappeared~消えた国王
―あなたは幸せだったのね、真戸那。
藍那は流れ落ちる涙を拭おうともせずに、更に本のページを捲った。
ラストのページには、こう記されていた。
こうして悠久の時を刻むかに見えた琉球王朝は終焉へと向かっていった。
尚正王の名はわずか十九歳で亡くなった悲劇の王として歴史書に刻まれることなく、遺言どおりに抹消され、歴史から消え、その存在も葬り去られた。
尚正王が崩御したとされる七十年後、日本は明治維新を迎える。日本の夜明けとともに、華やかに栄えた琉球王国も落日の瞬間(とき)を迎えようとしていた。
藍那は流れ落ちる涙を拭おうともせずに、更に本のページを捲った。
ラストのページには、こう記されていた。
こうして悠久の時を刻むかに見えた琉球王朝は終焉へと向かっていった。
尚正王の名はわずか十九歳で亡くなった悲劇の王として歴史書に刻まれることなく、遺言どおりに抹消され、歴史から消え、その存在も葬り去られた。
尚正王が崩御したとされる七十年後、日本は明治維新を迎える。日本の夜明けとともに、華やかに栄えた琉球王国も落日の瞬間(とき)を迎えようとしていた。