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最後のキス~琉球の海を渡る風~
第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~
だが、本来、心優しい人なのだろう。
―私より、そなたの方がよほど混乱し、哀しんでいるに違いない。
と、特に訝る様子もなく、いっそう藍那に優しく接するようになった。王は面倒がらず、自分たちが幼い頃からどのようにして関係を育んできたかを語った。そのお陰で、藍那はあたかも自分が本物の真戸那であるかのように、彼と彼女(真戸那)が過ごした長い年月や心愉しい想い出を共有することができた。