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秒針と時針のように
第6章 時針が止まる時
「おはよう、拓」
「忍?」
「それ以外にいるか? てめぇはまた」
 忍は続きを言えなかった。
 唇を塞がれて。
「ん……」
 互いの形を確かめるように食む。
「あ、は……んむ」
 息がぶつかり溶け合う。
 忍はオレの舌を吸ったかと思うと軽く噛んだ。
 そして挑戦的に笑む。
 唇を舐めて。
「忍……ヤバイ」
「ん。俺もだ」
 ギシリと二人でベッドに重なる。
 タンクトップの裾を捲り上げて肌を愛撫する。
「あっ、く……」
「痛い?」
 辛そうな顔に手を止める。
 けど忍は笑顔を見せた。
「もっと遠慮なくヤれよ、バァカ」
「後悔させてあげる」
 赤く腫れた乳頭を口に含んでいたぶる。
「はッッ、あ、い……いっ」
 目を閉じて悶える忍の下着を脱がす。
 濡れた付け根に手を這わせて、ゆっくりそこに近づく。
 少し怖そうな忍にキスをして、同時に孔に指を入れた。
「んっく……んん」
 グチャリと音が鳴る。
 解すように中で動かすと、ビクビク痙攣するのが指先にまで伝わってきた。
「忍。力抜いて」
「ムリ……言うな、ひうッッ」
「じゃあ先に抜かせてあげる」
「えっ、ちょ。ばか……あ、あっ、うあ」
 音を立てながら手をスライドする。
 グチャグチャと液体が絡まる。
「気持ち良い?」
「ん……ヤバイ、いっ」
「変態はどっちだよ」
「て……めぇ、だ。んんっ」
 果てた忍に濡れた手を見せつけるようにして舐め上げる。
「っ、美味くねぇぞ。そんなん」
 はあはあと息をしながら。
 喘いでるのか喋ってるのか。
「忍のだもん。どんな野菜より美味いよ」
「てめぇは本当に馬鹿だ」
「ベジタリアンだけど、この肉だけは好きなんだ、食べて良い? 忍」
「聞くな……ああっ」
 三本にした指で中を引っ掻く。
「さっさと……食えよ」
「わかった」
 その表情だけで逝きそうなモノを押し入れた。
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