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秒針と時針のように
第4章 認めたくないこと

 固く閉じていても中に侵入してくる。
 首筋が強ばる。
 意識が遠のきそうだ。
 限界にきて、空気を求めて口を開ける。
「はっ、はぐッッ」
 一息も吸えないうちに押し込まれた。
 必死で息をするが、絶え間なく顔をスライドさせられて脳が焼けそうになる。
「フェラ顔アップで撮ろうぜ」
「この際目隠しも外しちゃおうか」
 解放された視界でおぞましいものが見えて急いで目を瞑る。
 それを見て笑い声が広がる。
 涙が絶え間なく頬を伝った。
「ん、く、んん。ふッッぐ」
「はは。エロ過ぎ」
「じゃあ、こっちも攻めますか~」
 グチリと指が入ってくる。
 がくんと仰け反った。
 目を見開いて。
 天井が歪んで見える。
 けれど声は出せなかった。
「すっげうねってる」
「やべ……」
 グネグネと中で指が動く。
 痛みはそれほどなかった。
 だが、不快極まりなかった。
 異物を押し出そうと腹筋に力がこもるが、また再開した乳首への悪戯に脱力する。
 全身がもう脳の支配下になかった。
 両手は醜いモノを握らされ、口には咥えさせられ、足は開いたまま固定されている。
 すぐに二本目が入れられる。
 グジュグジュに掻き回される。
「ぐっ、んん、ふうっ」
「お前そろそろ代われよ」
「だってこいつの口気持ちよすぎて」
「イけ、ばーか」
 ぐっと奥まで貫かれたかと思うと、喉に液体が注がれた。
 胃から吐き気がせり上がってくる。
 口を解放されると同時に激しく咽せた。
「げほっ、う、え」
「じゃあ次おれー」
 抵抗する前に口に突っ込まれた。
 顎が砕けそうになる勢いで。
「お前乱暴すぎんだよ。軽く飛んでんぞ忍ちゃん」
「本当だ。白目剥いてる」
「カメラ。ちゃんと写せよ」

 なにもかもが、現実味がない。

 こいつらの言葉も。

 疼きも。

 指が抜かれる。
「そろそろいけんじゃねーの」
 行為自体も。
 
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