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瑠璃色
第9章 光が消えた時
笑いながら私の頭をクシャクシャと撫でる。
私…自分の事しか考えてなかったな…きっと、疲れて
る姿を私に見せたくなくて、何も言わなかったのかも
…それなのに、会いたいって気持ちだけで勝手に来て
自己満足でカレーなんて作って…
直人さんが寝たら、今日は帰ろう…
プルルルルッ…プルルルルッ…
「はい、もしもし…」
「瑠璃?今、どこ?」
「あっ、おはようございます…今、家です」
「えっ?何で?…いつ帰ったの?」
「ごめんなさい、直人さん疲れてるのに、勝手に行っ
てしまって…今日は、ゆっくり休んでください」
「瑠璃、今からこっちにおいで!」
「あっ…実は、予定が入ってしまって…」
「そっか…わかった。昨日は本当にごめんな…じゃ
気を付けて…それと、まだ色々とバタついてて、なか
なか会えないと思うけど…許してな!」
「私は、大丈夫ですよ!私の方こそ、本当にごめんな
さい…じゃ、また」
予定があるなんて、嘘ついてしまった。
昨日の直人さんの顔、やっぱり疲れてた…。
それなのに、今、私が行けば、ゆっくり休むなんて
出来ないもんね…
今日は、ゆっくり休んでてほしいな!
直人さんの為に…今の私には、こんな事位しか出来
ないから…