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瑠璃色
第9章 光が消えた時
新年度、また一年が始まった。
一年生の初々しい制服姿…本当に可愛い。
一年前の私は、まだ余裕なんてなくて、そんな風に
見れなかったな…私も少しは成長出来たって事?
一年やっただけあって、忙しくなる時期も、何となく
わかってきてる。
この時期は、まだそんなに忙しくない…普通にやれる
時。
だけど…直人さんは、杉本さんと二人忙しそう…
何か、あったのかな?
今日は、一緒に帰れるかな…
そう思っていたのも虚しく…
直人さんは、杉本さんと二人出て行ってしまった。
仕方ない、仕方ない…仕事なんだもん!
それからも、そんな日が続いて…たまに直人さんから
「なかなか会えなくてゴメン」…って、メール。
杉本さんと一緒の時もあれば、一人の時もあって…
よし!明日は休みだし、強引に家に行っちゃおう!!
カレーライスの準備をして、直人さんの帰りを待つ…
んー…なかなか帰って来ない。
どうしよう…帰った方がいいかな?
そんな事思っていると…ガチャガチャ…
「えっ?瑠璃、来てるの?」
ドアが開いた途端、声がする。
「あっ、お帰りなさい!」
「ごめん、ごめん…遅くなってしまったな…
わっ、いい匂い…カレーだ!」
「食べる?用意しようか?」
「悪い、食べたいけど済ませてしまって…
ちょっと疲れたから、シャワー浴びて寝てもいい?
瑠璃は、ゆっくりしとけな!」
「うんっ…疲れてるのに、ごめんね…」