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Gemini
第14章 期待する体
[ 和樹から荷物預かったんだけど… ]
[ なんかあった??? ]
凛からLINEが来たのは、ちょうど空港で荷物を預けてる時だった。
きっとヒロ経由で凛の手元に来たんだろう。
(そんなに私と会うのが嫌だったのかな…)
[ そうだったんだ…ごめん ]
[ 今から沖縄に行くとこだから、もうちょっと預かってて💦 ]
何かあった?には、返事をしないまま。
[ りょ ]
[ 沖縄ウラヤマ ]
[ 帰ったら連絡するねー ]
[ 楽しんできてね ]
少し胸がずーんとなる。
でも、顔には出さないようにしないと。
ママとつーちゃん、ノアとルカ、そして私。
並んでるとどんな風に見えるんだろう。
(ツーペアとあまり札って感じかな…)
ノアとルカに挟まれて歩くと、163センチある私がちびに見えちゃう。
「とりあえず今日は、那覇だろ?」
「南国色の魚、食べたいね、カナデ」
「うん、そうだね」
「あの二人、毎晩飲み歩くらしいから」
ルカがニヤッと私たちを見ると、ノアも含み笑いをする。
「楽しい時間がいっぱいありそうだね」
「え?あ…うん…」
「どうした?」
「うわの空だね?」
「そんなことないって!沖縄、楽しみだね!」
「積極的~」
「やべ、もう立ちそう」
「やっ、ちがっ…」
あわててルカのことをペチッと叩くと、2人とも楽しそうに笑った。
「何かあったの?」
ノアがのぞき込むように私の顔を見た。
「ん…でも大丈夫」
私の答えに、美しく微笑みながら頷いた。
手荷物検査を終えて、搭乗口に向かう。
見るからに夏を楽しむ気満々の人たちで、いっぱいだった。
私もそう見えてるといいな。