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Gemini
第14章 期待する体

腰に回されたルカの手
恋人繋ぎしたノアの手

どちらも優しく、やらしく私を撫でる。
私は左右に首を振り、交互にキスをしていた。

タクシーの中なのに

でも、もう、どうでもよかった。



ボトボト……ボト…

ノアの方に顔を向けたとき、体が捩れてバッグが床に落ちてしまった。
散らばったバッグの中身と一緒に、あれもタクシーの床に落ちた。

私が慌てて手を伸ばすより先に、ルカの手に拾われてしまった。2本の指でつまんでこれみよがしに持ち上げる。

「おっ、準備まん…?ばん…?なんだっけ」

「万端、だろ?」
ノアが答えながら取ろうとすると、ルカはパッと握って手の中に隠してしまった。

「あぁー興奮してきた」

「ずっとだろ?猿」

「恥ずかしいから…もう…」

「カナデだってしてるだろ?」

「やめてってば」

「まさかもう濡れてる、とか?」
ノアまで意地悪を言い出す。

「あー、あとどれくらいで着きますか?」

「そうねー、あと10分くらいかなぁ?」
急かすみたいに尋ねたルカとは対象的に、呑気そうな運転士さんの返事が聞こえた。

ため息をつくルカ。
(10分…か…)
私も同じ気持ちだ。

ノアはさっきのパンフレットを広げた。
反対側をルカが持って、目隠しみたいに私を隠す。

狭い車内では、声はもちろん、吐息だって聞こえてしまうかもしれない。細心の注意を払いながら、キスを再開する。


噛まれた耳がジンジンと痺れていた。


ノアの言ったとおり
自分のそこはもう濡れてる

ルカの言ったとおり
私もすごく興奮していた


早くふたりに…
頭の中を過ぎるたび、クリトリスが痺れてしまうのだった。



バタン
ホテルの目の前。
タクシーのドアが閉まった。

ルカたちの部屋に向かう前に、自分の部屋に寄って自分の荷物を取りに行くことにした。

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